疲労は、なぜ次の日に遅れて訪れるのか

疲労は、なぜ次の日に遅れて訪れるのか

激しく身体を動かした翌日、あるいは翌々日に訪れる筋肉の重だるさ。それは痛みとも違う、独特の感覚だ。この「遅れてやってくる疲労」は、運動生理学では遅発性筋肉痛(DOMS)と呼ばれる。では、なぜ身体はリアルタイムではなく、時間差で応答するのだろう。

筋繊維が微細に損傷すると、その修復のために免疫細胞が集まり、炎症反応が起こる。この炎症のピークが、運動から24〜72時間後に訪れる。つまり、疲労は身体が「壊れた」瞬間ではなく、「再構築を始めた」瞬間に感じるものだ。痛みは、むしろ回復のサインなのかもしれない。

身体は、予定を立てる

HYROXのように全身を使う競技では、脚、背中、肩、心肺——複数の系統が同時に刺激される。それぞれの部位が異なるタイミングで修復を始めるため、疲労の波は複層的にやってくる。身体はまるで、どの部位から優先的に直すかを判断しているかのようだ。

だとすれば、疲労を「遅れてきた敵」として嫌うのではなく、「身体が計画的に動いている証拠」として受け止めることもできる。その重だるさは、次に同じ刺激が来たときのための、静かな準備期間なのだ。

翌々日に階段を降りるのが辛いとき、それは身体があなたに、何かを伝えようとしている瞬間なのかもしれない。

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